<出典:photo AC>
日本で起きた現金強奪事件といえば「3億円事件」が有名ですよね。
ただ世界に目を向けると、被害額では3億円を大きく上回る現金強奪事件が発生しており、
別記事では、世界で起きた現金強奪事件をご紹介しました!
ブラジル中央銀行金庫破り事件(被害額:80億円)やスイス郵便局強盗事件(被害額:78億円)など、その被害額の大きさには驚くばかりでした。
ですが、日本国内でも3億円事件を超える被害額の現金強奪事件があったことはご存じでしょうか?
今回は、日本の現金強奪事件についてご紹介します!
【被害額6億円】立川6億円強奪事件
<出典:O-DAN>
日本で起きた現金強奪事件の最高被害額は、2011年5月12日に起きた『立川6億円強奪事件』といわれています。
事件は東京都立川市にある警備会社「日月警備保障」立川営業所で起きました。
2011年5月12日未明、犯人の2人が営業所に侵入し、ソファで仮眠していた警備員の手首を粘着テープで拘束し、脅して金庫室の暗証番号を聞き出すと、金庫にあった現金を奪って逃走しました。
脅しには刃物や鉄パイプが使用されたとされており、極めて凶悪な事件として報道されていました。
被害額は5億9,950万円にものぼり、以降は「立川6億円強奪事件」として、凶悪事件の歴史に刻まれています。
事件は関わったとされる23人が逮捕・起訴される形で終幕しました。
最初に捕まったのが、営業所に侵入した実行犯の2人で、現場周辺を移動する姿や近所のコンビニで粘着テープを購入する姿などが防犯カメラに映っており、2011年6月上旬に逮捕されました。
2人は暴力団関係者であったため、暴力団による組織的犯行として捜査が進みました。
実行犯2人の通話履歴などをきっかけに、主犯格3人をはじめ計23人が逮捕・起訴されるに至りました。
驚くことに、犯人グループの中には日月警備保障の元契約社員もいました。
主犯格3人には、それぞれ懲役14〜20年の実刑判決が下りました。
犯人は逮捕・起訴されて解決されたかに見えましたが、盗まれた現金はすべて回収することができず、現在でも3億6,000万円が未回収となっております。
現金は使われてしまうと、回収は困難を極めるわけですね。
【被害額5億円】栃木5億円強奪事件
<出典:O-DAN>
「立川6億円強奪事件」が起きるまで、日本国内の現金強奪事件における最高被害額は、2004年10月17日に起きた『栃木5億円強奪事件』といわれていました。
事件が起きたのは、栃木県南河内町(現在の下野市)にある、物流会社「東武運輸栃木」下野支店でした。
事業所の終業直後に犯人グループ5人が押し入り、警備員2名にスタンガンや拳銃のようなものを突き付けながら脅し、粘着テープで縛り上げ、金庫に保管されていた現金入りかばんを強奪しました。
被害額は5億4250万円にものぼりました。
ただ、駆けつけるパトカーのサイレンを聞いた犯人グループは、現場近くの路上に約1億2000万円を放棄して逃走したことから、最終的な強奪額は約4億2250万円でした。
事件発生からおよそ21ヶ月経過後の2006年7月、犯人グループの1人が逃走資金が尽きたとして、栃木県警に出頭し、それを機に、暴力団関係者を含む計8人が実行犯として逮捕にいたりました。
自首した犯人には懲役11年の判決が、また首謀者とされた元暴力団員には懲役18年の判決が、それぞれ言い渡されました。
まとめ
今回は、日本で最高被害額といわれる現金強奪事件をご紹介しました!
「3億円事件」は未解決事件として凶悪事件の歴史に刻まれていますが、被害額だけでみれば3億円事件を超える事件が複数ありました。
今回ご紹介した立川6億円強奪事件・栃木5億円強奪事件ともに、犯人逮捕に至っていることが日本警察の頼もしいところです。
また現金被害だけで、死傷者等の被害がなかったことは不幸中の幸いと言えそうです。
近年は、物理的な現金強奪よりも、サイバー攻撃やハッキングといったデジタルな犯行手法に変わりつつあるように思います。
バリエーションに富む犯行に備え、警備側も高度なセキュリティ構築が急がれます。
コメント